謎に包まれた小説家、鬼山喜久治の人気連載作『森のなか』が最終話を迎えようとしていた。ところが、最終回の原稿締め切りの直前に鬼山からの連絡がぷつりと途絶えた。担当編集の前川秀太は、駆けつけた鬼山のマンションで、すでに死亡してる鬼山と手錠で監禁されている人気女優、戌井マリを発見する。 何も語らないマリの手錠の鍵を探すうちに、秀太はマリの鞄から覗く手書きの原稿を見つける。メールでしか原稿を受け取ったことがない秀太は、マリが『森のなか』の本当の作者だと推察する。鬼山の死因は不明だが、このまま事実が公になると今まで築き上げた秀太のキャリアも、監禁されていたマリの女優人生も台無しになるのは明白だった。 マリの提案で、二人は「絶対に死体が見つからないとある場所」に死体を埋めにいくことを決める。